抄録
現在、様々な保育者向け雑誌が発刊され、保育の現場や養成校などで指導計画や記事等が参照されたり活用されたりしている。そして、発刊元の出版社主催による保育者向け講習会が毎年各地で開催され、保育者の資質向上や保育の質の向上の一端を担っている。しかし、戦前にも多くの保育・教育関係の雑誌が存在した。筆者はその中でも先行研究が少ない、全日本保育聯盟(大阪毎日新聞社会事業団内)発行の雑誌『保育』に焦点を当て、当聯盟が主催或いは後援した保育者向け講習会(母親向け講習会も含む)がどのような内容であったかをたどり、当時の保育界にもたらした影響を明確にしたいと考えた。今回、1938(昭和13)年から1944(昭和19)年の研究において、本土への空襲が危惧される1943(昭和18)年、実際に本土への本格的な空襲が開始された1944(昭和19)年といった状況が厳しい時期においても保育者向け(母親向けを含む)講習会は開催され、一定の参加者があったことが明確になった。