動物體及人體ノ電氣的抵抗ノ簡易測定法竝ニ其應用

抄録

先ヅ動物體及人體ニ主トシテ皮膚ヨリ電流ヲ導キタル場合ノ電氣的抵抗ノ測定法ニ就テ論ジ、廣ク一般臨牀向ニモ應用スベキ方法トシテ平流ニヨル見掛ケノ抵抗ノ測定法ニ思ヒ付イタコトヲ述ベタ。次ニ實驗結果ヲ基礎トシテ、皮膚ノ電氣的變動ニ關スル主要部ニ對シテ皮膚組織中ニ短絡ノ存在スルコトヲ主張シ、尚ホ皮膚組織ヲ皮膚ノ電氣的現象ヲ良ク説明シ得ル點ニ於テ可及的簡單ナル電氣的模型ニテ代表シ、之ニ電流ヲ導キタル場合ニ就テ理論的ニ考察シ、以テ皮膚ノ電氣的抵抗ノ意義ヲ明カニツ、且ツ平流ノ強サガ一定不變ノ價ニ逹シタル時ノ見掛ケノ抵抗ノ測定ノ意味ノアルコト、井ニ皮膚ノカヽル見掛ケノ抵抗ハ多クノ場合ニ其オーム氏抵抗ニ比シテ.其價相當ニ近ク大サノ「オルドヌング」ガ異ル程大ナル價デハナイ樣ニ思ハレルコトヲ述べタ。
コノ見掛ケノ抵抗ノ測定法ハ要スルニ動物體或ヒハ人體ヲ刺戟スルコトナク平流ヲeinschleichenセシムルコトニアル。又測定ヲ繰返ス場合ニハ
同樣ニ注意シテ電流ヲausschleichenセシムルコトガ必要デアル。
實驗ノ對象トシテハ蛙及人盟ヲ用ヒ、皮膚ヨリ或ヒハ皮膚及筋膜ヨリ電流ヲ導キ、見掛ケノ抵抗ノ測定ヲ行ツタ。又カヽル見掛ケノ抵抗ガ條件ニヨリテ變化スルコトヲ例ヲ舉ゲテ説明シ、更ニカヽル抵抗測定法ノ生機的及臨牀的ノ應用ニ論及シ、幅例トシテ齒ノ痛覺ニ對スル電流ニヨル刺戟閾値ヲ測定スル際ニ先ヅコノ方法ヲ用ヒテ電氣的抵抗ヲ測定スベキコトヲ述べタ。