1991 年 1991 巻 38 号 p. 71-73
養液栽培では, 病原菌が混入すると病原菌の拡大が容易であり, 病原菌が根と接触する機会が極めて大きいため, 1株でも発病すると、養液中に菌が急速に慢延し大発生する可能性が高くなる。そこで, トマト栽培において問題となるトマト青枯病菌 Pseudomonas solanacearum に対するセラミック資材の殺菌効果について in vitro において試験を行った。その結果, セラミック資材投入と青枯病菌接種を同時に行なった場合, 及びあらかじめセラミック資材を投入後青枯病菌を接種した場合において, PS培地, 殺菌水のいずれにおいても著しい殺菌作用を示した。しかしながら, 最初に青枯病菌を接種した場合においては, 殺菌水では著しい殺菌力が認められたものの, PS培地では完全に菌を死滅させるまでには数日間必要であると考えられる。