1991 年 1991 巻 38 号 p. 93-97
長野県準高冷地野菜作地帯の一つである北大井地区の「圃場カルテ」の記録からハクサイ黄化病・根こぶ病について8~12年間にわたる発生状況の推移とこれに対する防除技術の変遷をみた。黄化病は1982年をピークに平衡状態が続いたが, 1988年以降激減した。一方, 根こぶ病はいくつかの年次変動を繰り返しながら徐々に減少している。両病の鎮静化にクロルピクリン剤畦内マルチ処理の普及が大きい役割を果たしたと思われたが, 本技術が現地に定着するにはかなりの試行錯誤のあとが伺えた。