抄録
1984年秋から1996年春までの11回の冬季について, ホソヘリカメムシ, イチモンジカメムシおよびアオクサカメムシの越冬中の生存率を茨城県つくば市の野外網室内で調査した。ホソヘリカメムシの4月下旬 (越冬後) の生存率は雌雄平均して81.2%と高かったが, イチモンジカメムシやアオクサカメムシではそれぞれ43.9, 43.4%と低く, アオクサカメムシではその振れも大きかった。これはホソヘリカメムシは他の2種に比べて寒さに強いことによると考えられる。しかし, その他の要因が生存率に関与している可能性も考えられる。