関東東山病害虫研究会年報
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シュクコンアスターに発生したうどんこ病 (新称)
高橋 幸吉佐藤 幸生高橋 義行河野 敏郎市川 和規
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1997 年 1997 巻 44 号 p. 161-164

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抄録
1993年, 長野県でシロクジャク, 山梨県でクジャクアスターなどシュクコンアスター (Aster spp.) に未記載のうどんこ病の発生を認めた。白色粉状の菌叢は葉の表裏, 花茎および子実部に表生していた。接種および露地での発病には品種間差異が認められた。分生子は無色, 単胞, フィブロシン体を欠き, 楕円~卵形, 大きさ (26~)29-42(~53)×(12~)14-19(~22)μmで, 5~7細胞の分生子柄上に鎖生した。分生子の発芽管は短く, 分岐せず, 発芽管の途中に単純な乳頭突起状の付着器を形成した。本菌はユウゼンギク (Aster novi-belgii) にも病原性を示した。閉子のう殻の形成は認められなかった。以上から, 本病を Erysiphe cichoracearum 型の Oidium sp. によるシュクコンアスターうどんこ病と命名したい。
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