関東東山病害虫研究会年報
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ハクサイ葉柄部に発生したべと病の症状と品種間における発生差異ならびに薬剤による防除効果
藤永 真史佐藤 衛清水 時哉小木曽 秀樹荒井 好郎
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1998 年 1998 巻 45 号 p. 47-49

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抄録

長野県現地で「茎べと」と称されるハクサイ葉柄部の黒変症状部に形成された Peronospora 属菌を, ハクサイ葉柄部 (品種: 優黄) に接種すると, 同一の黒変症状を呈した。またハクサイ葉においても表面が黄緑色の不規則な病斑を生じ, 葉裏には汚白色のカビを生ずる既知のべと病と同一の症状が再現された。この結果, ハクサイ葉柄部黒変症状は Peronospora parasitica によって引き起こされることが確認された。本症状は品種間差があり, 黄芯系ハクサイ (大福, CR-黄健75など) の感受性が高かった。薬剤防除はオキサジキシル・TPNフロアブルなどで効果が認められたが, 散布量を減らすと効果も低くなった。本症状の対策の一つとして, ハクサイベと病に対して耐病性の高い品種の作付が考えられる。

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