抄録
本稿の目的は、比較的新しい概念であるエクサカインについて、その誕生の背景から紹介することで用語の定義を明確にすることである。「運動が健康に良い」ことは古くから知られており、数多くの疫学研究によって示されているが、一体どのようなメカニズムによるのだろうか。骨格筋は体重の約1/3を占める体内最大の臓器であり、筋収縮によって分泌されるIL-6の報告からマイオカインという言葉がつくられて以降、骨格筋から分泌される生理活性物質に関する研究が盛んに行われてきた。ただし、運動の効果をもたらす物質が必ずしも骨格筋に由来するとは限らない。実際に、運動時には肝臓からへパトカイン、脂肪からはアディポカインが分泌されることが知られており、より広い用語としてエクサカインが使われるようになってきている。エクサカインは細胞外小胞に含まれる形で分泌され、細胞間コミュニケーションに重要な役割を果たすと考えられている。