熊本野生生物研究会誌
Online ISSN : 2758-5964
Print ISSN : 1883-7883
長崎のジャコウネズミは江戸をみたか
安田 雅俊
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2024 年 12 巻 p. 99-103

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抄録
肥後藩藩主であった細川重賢(しげかた)(1721年〜1785年)が編纂した図譜『毛介綺煥(もうかいきかん)』に含まれる宝暦9年閏7月4日(1759年8月26日)の日付が添えられた「麝香鼠」について検討した.この図は長崎産の乾燥標本に基づいて描かれたとみられるが詳細は不明であった.細川重賢と本草学者田村藍水(らんすい)との間に深い交流があったことを考えると,『毛介綺煥』に描かれたジャコウネズミは田村藍水が1758年に長崎から江戸に持ち帰った標本コレクションの一部であった可能性がある.
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© 2024 熊本野生生物研究会
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