2009 年 55 巻 p. 162-167
既存のチャ病虫害抵抗性品種である「みなみさやか」,「ゆめかおり」,「べにふうき」,「そうふう」と比較品種として「やぶきた」,「ゆたかみどり」を用いて,有機栽培で使用可能な防除資材のみを用いる環境保全型防除下と慣行防除下の圃場において各品種の虫害程度および虫害特性を比較した。どの季節においても品種間で虫害程度に差があり,特に「ゆめかおり」の食害率が一年を通して低かった。虫害特性に関しては,季節・品種ごとにある程度の特徴が認められたものの,夏以降どの品種においてもチャノホソガ,チャノミドリヒメヨコバイ,チャノキイロアザミウマとヨモギエダシャクによる虫害が顕著であった。また夏芽と秋芽において慣行防除区よりも環境保全型防除区の方が各害虫種による総食害量のうちチャノホソガによる食害量の割合が高くなる傾向が見られた。