九州病害虫研究会報
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虫害
施設栽培キンカンにおける夏期~秋期のマシン油乳剤の散布時期と回数が果実品質に及ぼす影響
井手 洋一口木 文孝
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2011 年 57 巻 p. 77-80

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抄録
施設キンカンの特別栽培においてマシン油乳剤を夏期~秋期に使用するために,6 ~10月に異なる散布時期,散布回数を設けて,薬害や果実品質に対する影響を調査した。その結果,果実品質については,複数回散布した場合に糖度の低下が認められたものの,1 回散布では6 ~10月のいずれの時期に散布した場合でも糖度の低下は認められなかった。マシン油乳剤の散布による着色の遅れ,緑斑の残存,うるみ果,樹勢の低下等の薬害も認められなかった。また,マンゼブ水和剤との混用による薬害も認められなかった。以上の結果から,マシン油乳剤を施設キンカンの夏期~秋期におけるミカンハダニ防除資材として使用した場合,使用回数を1 回に限定すれば,薬害等はなく,果実品質にも影響しないことから,化学農薬代替剤として有効利用できる。
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© 2011 九州病害虫研究会
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