九州病害虫研究会報
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虫害
カキ‘太秋’における収穫後の早期軟化果発生に及ぼすフジコナカイガラムシの影響
杉浦 直幸吉田 達雄吉田 麻里子飛野 敏明榊 英雄山田 一宇
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2012 年 58 巻 p. 88-92

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抄録

カキ‘太秋’の収穫後の早期軟化に及ぼすフジコナカイガラムシの加害の影響を調査した。収穫初期の果実における早期軟化の原因を解析すると,フジコナカイガラムシの加害よりも早期着色がエチレン生成量や早期軟化に大きく関与する傾向がみられた。しかし,早期着色していない収穫初期の果実においては,フジコナカイガラムシ加害果実でエチレンの発生が増加し,収穫後10日目には無加害の果実と比較して有意に多くなった。以上の結果から,‘太秋’における収穫初期の果実の早期軟化にはフジコナカイガラムシの加害よりも他の原因による早期着色が大きく関与しているが,フジコナカイガラムシの加害果実においても収穫後にエチレン生成量が増加するので,加害が早期軟化を助長している可能性が示唆された。

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© 2012 九州病害虫研究会
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