九州病害虫研究会報
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虫害
サツマイモトビハムシ(Chaetocnema confinis Crotch) の生態と防除 3.サツマイモの栽培条件がサツマイモトビハムシ幼虫の 被害へ及ぼす影響
林川 修二福田 健山下 進
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2015 年 61 巻 p. 43-48

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抄録
サツマイモトビハムシ幼虫によるサツマイモ塊根被害が種子島で問題となっている。サツマイモ栽培は用途に応じて品種,防除等栽培様式が異なる。そこで2012年に品種,マルチ,畦立前薬剤処理の3条件が幼虫の塊根被害へ及ぼす影響について現地調査と放飼試験を行い,評価した。現地調査では,品種「シロサツマ」を無マルチ,畦立前薬剤無処理で栽培したほ場で被害が多かった。放飼試験では,「べにはるか」と「シロユタカ」を比較した結果,「シロユタカ」の被害が多く,品種間の差異が認められた。また,ポリマルチ(黒色)および畦立前薬剤処理(クロチアニジン粒剤)で被害が軽減され,現地調査を裏付ける結果が得られた。今後は島内の様々な栽培条件を評価しながら,総合的な防除対策を構築していく必要があると考えられた。
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© 2015 九州病害虫研究会
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