2015 年 61 巻 p. 7-15
スナップエンドウの品質低下を招く莢上の斑点症状である「ごま症」の発生実態と植物病原菌の関与について調査した。「ごま症」発症莢からは高頻度でエンドウうどんこ病菌が検出され,接種試験によって「ごま症」の症状である褐色小斑点が再現された。殺菌剤散布によるモデル防除では,茎葉でのうどんこ病の発生と莢の斑点症状の発生が同時に低減された。露地栽培における秋まき長期どり作型の場合,うどんこ病は1段目の開花期以降に下位葉で発生し,その後は上位に進展して収穫後期になって莢に斑点症状が認められることが明らかとなった。殺菌剤の体系防除は,茎葉でのうどんこ病の発生と栽培後半の「ごま症」の発生を抑制することが示された。