抄録
(1)有翅アブラムシの飛来は春,夏,秋と3つのピークがあるが,そのうちタバコ/キウリモザイク病の媒介者であるモモアカアブラムシおよびダイコンアブラムシについては,春のピーク期(5月上旬~中旬)に最も多く,タバコ/キウリモザイク病の発生と密接に関係することが考えられる。春,秋のピーク期において,その時期の気温はいずれも20℃前後であった。
(2)有翅アブラムシの飛来時期における連続的降雨は,直接飛来を妨げる要因と考えられる。
(3)1963年~1965年の3ヵ年間水盤トラップで採集した結果によると,モモアカアブラムシの比率は年ごとに減少し,ダイコンアブラムシの比率は逆に次第に増大した。