九州病害虫研究会報
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水利用による土壌線虫防除に関する研究 第2報 有機物施用とたん水処理後の線虫密度復元
古賀 成司
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1976 年 22 巻 p. 126-130

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抄録

ネコブセンチュウが高密度で生息する黒色火山灰土壌において,有機物施用とたん水処理による防除後,好寄主作物を栽培しネコブセンチュウの密度復元,ならびに被害調査を実施した。
1)脱水豚ぷん,緑肥施用とたん水の併用処理によって,ネコブセンチュウ密度は著しく抑制され,たん水のみに比較して,たん水期間の短縮と効果の促進が可能となった。
2)ほ場枠試験のようにかけ流したん水下で,たん水条件が不完全になり易い場合,残存虫も多くなり密度復元は速かった。
3)ポット試験の場合,理想的な完全たん水となるため,一度低密度に抑制できれば復元は困難で効果の持続性は高かった。
4)これら処理効果と同様に枠試験の第1作ナスでは著しい増収効果がみられたが,第2作ホウレンソウでは大差がなくなった。ポット試験では処理効果の高いものでは第2作ニンジンまで寄生指数は低く,効果は持続された。

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