九州病害虫研究会報
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昆虫寄生性線虫Neoaplectana carpocapsae (DD-136)のハスモンヨトウ幼虫への侵入と発育
近藤 栄造石橋 信義
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1983 年 29 巻 p. 111-114

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抄録
昆虫寄生性線虫Neoaplectana caypocapsae(DD-136)のハスモンヨトウ終令幼虫への侵入と発育について,光学および走査型電子顕微鏡観察を行った。線虫接種後14時間以内にハスモン幼虫の運動性は低下し,24時間で完全に停止した。ハスモン幼虫の皮膚や気門から線虫は侵入しなかった。線虫は経口侵入し,食道の陥入部に集合し脱鞘した。脱鞘後,線虫の一部はクチクラ性の食道皮膜を貫通し体外へ脱出した。線虫に感染した昆虫では〓のう表面上に細菌コロニーがみられたが,非感染虫ではみられなかった。線虫は,ハスモン幼虫の体表上や消化管内ではほとんど発育せず,血体腔に侵入したのち急速に発育した。
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