1987 年 33 巻 p. 189-191
秋から冬季に降灰がみられる垂水市における2種の寄生蜂のヤノネカイガラムシに対する防除効果を検討した。
1) 秋から冬季に降灰があっても,2種の寄生蜂は定着した。しかし,秋季に降灰量が多い年の防除効果は十分でなく,ヤノネカイガラムシによる被害がみられた。
2) 火山灰は2種の寄生蜂の成虫に対して殺虫性を有すると思われ,このためにヤノネカイガラムシに対する防除効果が低下すると考えられる。したがって,ヤノネカイガラムシを低密度に抑制するには,秋季の降灰量に応じて,寄生蜂に影響の少ない農薬と組み合せた防除体系の確立が必要である。