佐賀県の畑作地帯で最近問題となっているジャガイモ粗皮症の病原放線菌は形態および細胞壁タイプからStreptomyces属に所属し,そうか病の病原菌であるStreptomyces属菌とは形態およびDNA-DNA相同性の上から明らかに異なっていた。本菌は培地のpHが中性~弱酸性域で,また,37C前後の温度条件下で良好な生育を示し,その発生も中性~弱酸性土壌や高温条件となるマルチ栽培で多い。防除対策として,薬剤の効果は現在のところ期待できないが,pH 5.0以下の土壌条件で栽培すれば本症の回避は十分可能である。