九州病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-0035
Print ISSN : 0385-6410
ISSN-L : 0385-6410
ジャガイモ粗皮症の病原とその生態および防除
田代 暢哉鈴井 孝仁宮下 清貴松尾 良満
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 33 巻 p. 27-32

詳細
抄録

佐賀県の畑作地帯で最近問題となっているジャガイモ粗皮症の病原放線菌は形態および細胞壁タイプからStreptomyces属に所属し,そうか病の病原菌であるStreptomyces属菌とは形態およびDNA-DNA相同性の上から明らかに異なっていた。本菌は培地のpHが中性~弱酸性域で,また,37C前後の温度条件下で良好な生育を示し,その発生も中性~弱酸性土壌や高温条件となるマルチ栽培で多い。防除対策として,薬剤の効果は現在のところ期待できないが,pH 5.0以下の土壌条件で栽培すれば本症の回避は十分可能である。

著者関連情報
© 九州病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top