九州病害虫研究会報
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わが国へ飛来するトビイロウンカのバイオタイプ形質の変化とその飛来源地帯の推定
寒川 一成
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1992 年 38 巻 p. 63-68

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抄録

(1) Bph1遺伝子をもつトビイロウンカ抵抗性日本稲育成系統,西海184号の品種抵抗性が,1987~1990年間に崩壊した。
(2) トビイロウンカ飛来個体群中に占めるIR26(Bph1遺伝子をもつ)に加害性を示す雌成虫の割合が,1987~1990年間に約10%から30~40%に増加し,バイオタイプ1からバイオタイプ2への変化が認められた。
(3) 同様なバイオタイプ形質を示すトビイロウンカ個体群が,中国南部とベトナム北部でほぼ同時期に発生しており,これらの地域がわが国へ飛来侵入するトビイロウンカ個体群の発生飛来源とみなされた。

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