1. 鹿児島県では1993年にコブノメイガの飛来が6回認められ,飛来量は7月以降になって増加した。蛍光灯採集箱の入灯数,圃場での追い出し法による追い出し成虫数は過去十数年で最も多かった。
2. 飛来量が多くなった第5波の飛来虫は普通期水稲周辺の繁茂した畦畔雑草で大量に確認された。
3. 飛来虫の侵入量は普通期水稲では移植時期が早い圃場ほど多かった。
4. 飛来虫による産卵は普通期水稲の生育初期には移植時期の早い圃場で多かった。7月下旬には株当りの卵密度が21卵に達し,飛来世代の産卵数としては異例に高い密度であった。
5. 株当り幼虫数は普通期水稲の生育初期には移植時期の早い圃場で多かったが,7月下旬以降には移植時期の違いによる差が認められなかった。
6. 幼虫の加害による被害葉率は移植時期の違いによる差が認められず,各移植時期ともほぼ同様な発生率で推移し,最終的(8月11日)には70%以上となった。