抄録
鹿児島県における果樹カメムシ予察灯の23年間にわたる調査データを分析し,以下の結果を得た。
1.本県の主要な果樹カメムシ類は,チャバネアオカメムシとツヤアオカメムシで,ライトトラップによる年間総誘殺数は増加傾向にあった。
2.2種カメムシの誘殺パターンは年によって異なったが,誘殺ピークは両種とも春と秋に集中した。また,ツヤアオカメムシの秋の誘殺ピークは,チャバネアオカメムシより約1カ月遅かった。
3.チャバネアオカメムシでは,秋の誘殺数と翌年の春の誘殺数との間に高い相関が認められた。しかし,ツヤアオカメムシでは相関は認められなかった。