九州病害虫研究会報
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奄美大島におけるヤンバルトサカヤスデの発生過と防除薬剤の探索
山口 卓宏和泉 勝一竹村 薫鳥越 博明松永 禎史永田 告治
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2000 年 46 巻 p. 118-122

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抄録

ヤンバルトサカヤスデについて,奄美大島での年間の発生経過と防除薬剤について検討を行った。
1.奄美大島での産卵時期は11月頃から翌年3月頃までと推察された。亜成体は5月上旬から,成体は8月中
旬からみられ,成体は翌年3月頃まで生息していた。群遊時期のピークは6月ならびに10月で,6月は亜成体,10月は成体が群遊の主体であった。これらの奄美大島における発生経過は沖縄本島とほぼ同じと推測された。
2.野外個体群の性比は1:1,雌雄の齢期の進展速度もほほ同じと考えられた。
3.防除薬剤としては,BPMCならびにMIPCを主成分とした薬剤の効果が最も高かった。
4.BPMCを2%含有したベイト剤について,野外の林地で防除試験を行った結果,m2あたり10gの処理量で,少なくとも処理後7日間は残効が認められた。

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