九州病害虫研究会報
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スクミリンゴガイのトラップに対する学習
市瀬 克也
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2000 年 46 巻 p. 74-77

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抄録

屋外に設置したコンクリートポット(2×4m)に番号を付けた30個体の貝を放飼し,6つのトラップを17回繰り返してそこに仕掛け,放飼した貝を採集した。この結果を元に,貝にトラップによる捕獲に対する学習能力があるか否かを評価した。貝の捕獲率(平均0.533±0.034)の確率密度は正規分布しており,また,各貝個体間で,捕獲された間隔日数の平均には統計上有意差がなかった。この捕獲間隔には,貝の大きさも性も有意な関与が認められなかった。さらに,捕獲回数が進むにつれて捕獲間隔が有意に変わることはなかった。これらのことから,この貝には,トラップに対する学習能力はなく,捕獲に対して性別,大きさ別で異なることはないことが示された。

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