九州病害虫研究会報
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施設圃場における寄生蜂コレマンアブラバチAphidius colemani Viereckに対する農薬の影響評価
井園 佳文飯干 浩美
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2005 年 51 巻 p. 78-82

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抄録

ビニルハウス栽培のキュウリに発生したワタアブラムシAphis gossypiiに対して本種の天敵であるコレマンアブラバチAphidius colemaniを寄生させ,これに室内の急性毒性試験の結果から影響が大きいと予測される非選択性殺虫剤ジメトエート乳剤とスピノサド顆粒水和剤を暴露させた。その結果,ジメトエートの暴露によってアブラバチの密度は低下し影響が認められたが,その後アブラバチの密度は回復した。一方,影響が強いと予測されたスピノサドの暴露によるアブラバチへの影響は,ほとんど認められなかった。施設圃場における農薬の影響は,室内試験から予想されるものより軽微で,その影響軽減の程度は薬剤によって異なった。それらの要因として薬剤成分の分解等の物理的化学的性質と植物の生育にともなう生物希釈等が関与していると考えられた。

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