2013 年 59 巻 2 号 p. 77-82
軽躁状態を呈する中年男性の統合失調症患者に対し,薬物療法や通常の精神療法と並行して,絵画療法を行った。描画の定量的指標として,描画時間,描画面積,毎分描画面積を測定し,精神状態との関連を検討した。精神状態については,Clinical Global Impression-Severityにてカルテ記載をもとに後方視的に評価した。その結果,軽躁状態の改善とともに,作品の描画時間が有意に減少した。絵画療法の時間を測定することで,患者の全体的な理解に役立つ可能性が示唆された。