九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第28回九州理学療法士・作業療法士合同学会
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病棟と協同したリハの試み
離床リハの紹介
*岩澤 健柳田 健志山本 久美子野口 美穂湯田 千鶴格内 美成子大塚 道治黒岩 沙希江川 亜希子波多 美智子大田 博子
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キーワード: ICF, 病棟との協同, 離床リハ
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p. 111

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抄録
【はじめに】
 リハ部門では、病院機能評価への取り組み以降、ICFの考え方も含め、「病棟でのリハの取り組み」や「病棟スタッフとの連携」などの問題に直面している。
 今回、「離床」という課題について病棟と協同して、病棟でのリハ「離床リハ」を導入したので報告する。
【目的】
 「リハ科への社会的要求」を満たす。
 病棟の搬送業務を軽減する。
 「リハ室でセラピストが行うことのみがリハビリである」という病棟と家族の認識をなくす。
 セラピストのみではなく、「病棟スタッフや家族もリハビリを行うことが出来る」という病棟と家族の認識をつくる。
 家族に「機能維持のためのリハビリ」という認識を持ってもらい、施設への退院を違和感無く進められる。
【方法】
 月_から_金の毎日10時20分及び14時20分からの40分間。
 病棟スタッフは、1日1回決められたメンバーを病棟ホールへ離床させる。
 その時間に合わせてセラピストが病棟にてアプローチを行う。
 午前はリハ助手、午後は看護助手が安全確保のため監視を行う。
 車椅子座位姿勢や使用法に間違いがあれば、その場で病棟スタッフに指導する。
 ROMexやアイスマッサージなどを実際に病棟スタッフに指導する機会とする。
【結果】
 リハ室への搬送業務は軽減できた。
 病棟スタッフも協同して、リハビリを進めているという認識が徐々に出てきている。
 患者個々の病状に応じて、離床リハプログラムを組むようになった。
 車椅子のブレーキや座位姿勢に注意が向くようになり、車椅子上での姿勢が安定してきた。
【問題点】
 離床させることが主目的となっておりROMexやアイスマッサージなどの指導までは至っていない。
 「家族にもリハビリを行うことができる」という認識は殆どできていない。
【おわりに】
 病院機能評価やICFに対応するための試みとして「離床リハ」を導入し、ある程度の成果が見られた。      
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© 2006 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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