抄録
【はじめに】
リハ部門では、病院機能評価への取り組み以降、ICFの考え方も含め、「病棟でのリハの取り組み」や「病棟スタッフとの連携」などの問題に直面している。
今回、「離床」という課題について病棟と協同して、病棟でのリハ「離床リハ」を導入したので報告する。
【目的】
「リハ科への社会的要求」を満たす。
病棟の搬送業務を軽減する。
「リハ室でセラピストが行うことのみがリハビリである」という病棟と家族の認識をなくす。
セラピストのみではなく、「病棟スタッフや家族もリハビリを行うことが出来る」という病棟と家族の認識をつくる。
家族に「機能維持のためのリハビリ」という認識を持ってもらい、施設への退院を違和感無く進められる。
【方法】
月_から_金の毎日10時20分及び14時20分からの40分間。
病棟スタッフは、1日1回決められたメンバーを病棟ホールへ離床させる。
その時間に合わせてセラピストが病棟にてアプローチを行う。
午前はリハ助手、午後は看護助手が安全確保のため監視を行う。
車椅子座位姿勢や使用法に間違いがあれば、その場で病棟スタッフに指導する。
ROMexやアイスマッサージなどを実際に病棟スタッフに指導する機会とする。
【結果】
リハ室への搬送業務は軽減できた。
病棟スタッフも協同して、リハビリを進めているという認識が徐々に出てきている。
患者個々の病状に応じて、離床リハプログラムを組むようになった。
車椅子のブレーキや座位姿勢に注意が向くようになり、車椅子上での姿勢が安定してきた。
【問題点】
離床させることが主目的となっておりROMexやアイスマッサージなどの指導までは至っていない。
「家族にもリハビリを行うことができる」という認識は殆どできていない。
【おわりに】
病院機能評価やICFに対応するための試みとして「離床リハ」を導入し、ある程度の成果が見られた。