九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 364
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障がい者フィットネス教室の現状と効果 ~体組成変化に着目して~
*吉田 久美香坂口 重樹古谷 紘子片寄 慎也渕 雅子
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抄録

【はじめに】
当院は平成19年6月にメディカルフィットネスを開設し健常者、障害者を受け入れ健康増進、身体機能の維持向上、生活に楽しみをもてるようなサービス提供を目指している。平成20年6月からはPT2名、OT2名が配置され、障害のある方を対象とした「あいあい教室(以下、教室)」を開始した。教室は健康運動指導士1名、セラピスト1名と、障害者10名以下の少集団で構成され、1回60分実施している。今回、教室開始から1年9ヶ月が経過した教室参加者に対しどのような変化がみられているか、健康に関する客観的評価である体組成の変化からその効果を検証したい。
【対象・方法】
教室参加者で、立位による体組成測定が可能な方には毎月測定している。対象は全参加者30名のうち、教室が開始された平成20年6月から測定を実施できた男性6名(平均年齢43.5±14.8歳)、女性3名(平均年齢49.3±21.1歳)で、内訳は脳梗塞4名、脳出血1名、脳外傷2名、硬膜下血腫1名、脳炎1名である。障害名(重複含む)は左片麻痺4名、右片麻痺1名、四肢麻痺2名、失調3名。計測にはデュアル周波数体組成計DC-320(TANITA社製)を使用し体重、体脂肪、脚部筋肉量点数(以下、脚点)、BMIの結果を教室開始時の平成20年6月と平成21年6月で比較した。
【レッスン内容】
週1回60分の中で臥位、床上坐位や四つ這い位、立位でのストレッチ体操と筋力トレーニング、バランスボールを使用したバランストレーニング、ステップ台を使用したステップエクササイズを実施した。
【結果】
女性では、全項目で向上がみられた。男性では体重、体脂肪率、BMIの減少が6名中4名、脚点向上が5名であった。
【考察】
女性3名中2人は高齢の脳血管障害者であり、当院退院後は体重、体脂肪率ともに高い値を認め、教室参加後は体重、体脂肪率の減少と脚点の向上が認められているものの、食事に関する会話から炭水化物を多く摂取していることが伺え変化の幅はわずかであった。また、脳炎を呈した若年女性1名に関しても体重、体脂肪率ともに減少幅はわずかであったが、脚点は+13点と大幅に向上し、日常生活において屋内車椅子レベルから杖使用による介助歩行が可能となり外出の機会が得られている。男性6名中、中年・高齢者は3名で入会時より肥満傾向はなく、2名は体重、体脂肪率ともに高齢女性よりも減少し、運動の効果が示唆された。若年男性3名は脳外傷者でありいずれも入会時より肥満はみられなかったが、1名は脚点が+13点となり屋内歩行見守りから自立、屋外は車椅子レベルから杖・装具を使用して公共交通機関の利用が自立となった。他2名に関しては車椅子レベルで経過し、うち1名は食事量が増え体脂肪率の上昇がみられた。このことから障害のある高齢女性の肥満や、若年男性の経過には運動だけではなく、食事面のフォローを行いながら将来に向けた健康増進を進める必要があると考えられる。

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© 2010 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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