抄録
喉頭・下咽頭局所進行癌において手術で根治性を求める場合は喉頭全摘が必要な場合も多い.近年,化学放射線療法の適応は拡大しており,進行期における喉頭・下咽頭癌でも根治する症例を認める.しかし,化学放射線療法の予後予測に関する有効なバイオマーカーは見つかっていない.我々は過去にFDG-PETを用いた化学放射線療法の予後予測因子に関して報告を行った.対象は頭頚部扁平上皮癌118例とし,集積の程度の定量には集積の最大値であるSUVmax,平均値であるSUVmean,閾値以上の体積であるMetabolic tumor volume (MTV),閾値以上の総代謝量をしめすTotal lesion glycolysis (TLG)を原発巣に関して算出し,ROC解析とロジスティック回帰解析を用いて統計解析を行った.その結果以前より有用と考えられていた SUVmaxより,容積をもとにした数値であるMTVやTLGのほうが予後予測に優れているとの結果を得た.またその有用性は部位によって異なり,上咽頭癌,中咽頭癌では有用性は低く,喉頭・下咽頭癌においては有用性が高い結果であった.これらの結果を踏まえて,今回我々はMTVが喉頭・下咽頭癌における喉頭温存の予後予測のバイオマーカーとなるかの検討行った.化学放射線療法前の原発巣のFDG-PETにおける集積の程度に関してSUVmax,MTVを算出,また造影CTにおける原発巣の腫瘍の輪郭をフリーハンドにてトレース行い,容積の算出を行った.これらFDG-PETから得られるパラメーターと造影CTからえら得た容積,またTNM分類等に関して検討を行った.これらのパラメーターと喉頭温存率に関して統計学的に解析を行ったので報告する.