喉頭
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原著
ヒト声帯粘膜の組織幹細胞 –in vivoにおけるコロニー形成とその微細構造–
佐藤 公則千年 俊一佐藤 公宣佐藤 文彦小野 剛治梅野 博仁
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2021 年 33 巻 02 号 p. 217-223

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抄録

ヒト声帯の黄斑は幹細胞ニッチであり,黄斑に分布する細胞は組織幹細胞である可能性を報告してきた.in vitroで黄斑内の細胞を培養するとコロニーを形成して増殖する.本研究では,声帯黄斑(生体内,in vivo)内のコロニー形成とその微細構造を検討した.

対象は病変がないヒト成人の声帯5例である.方法はヒト声帯黄斑の細胞を電子顕微鏡下に,また免疫組織化学を用いて光学顕微鏡下に観察した.

細胞から分泌された無定形物質,糖タンパク質を介して,細胞同士が接近・接着し,細胞が集塊し,生体の声帯黄斑内でも細胞がコロニーを形成していた.免疫組織化学では糖タンパク質はE-カドヘリンと考えられた.接近した細胞は接着複合体(アドヘレンス結合,デスモゾーム様結合)を形成し,接着複合体を介して細胞同士が接触していた.

幹細胞はコロニーを形成して増殖するが,その機序と役割は不明な点が少なくない.ヒト声帯黄斑内の組織幹細胞はin vitroで培養した時のみならず,生体内(in vivo)の声帯黄斑(幹細胞ニッチ)でもコロニーを形成していることが確認された.

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© 2021 日本喉頭科学会
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