1994 年 31 巻 p. 31-43
日本の経済力の高まりと国際化へのかけ声を背景に,海外に留学する大学生や高校生の数は年々増加している。学位やディプロマ取得を目的とした正規留学以外にも,語学研修を主目的とした短期,長期留学共にプログラムは多様化しているが,それらの参加者への影響については系統だった調査が少ないのが現状である。著者は,アメリカに一年間留学した日本の高校生の異文化体験の実態と意義を明らかにすることを目的に,1987年度より,主に面接,質問紙,英語能力テスト等を用い多面的調査を実施している。本論では総合的な調査の一環として行った英語伝達能力の習得に関する予備的研究の報告をする。