抄録
物流共同化は、今日のロジスティクスにおいて最も重要な課題のひとつであります。特にわが国では、資源に乏しく、インフラの整備が充分でないことから、物流共同化に対する期待は非常に大きいものがあります。しかしながら、四半世紀の間、物流共同化に対する期待が大きかったにも拘らず、実践事例は決して多くはなく、ましてや成功事例となると極めて少ないのが実態であります。発表者は、物流共同化が推進されなかった大きな原因のひとつに、物流共同化に関する研究活動の面で、学会が実業界に対して充分に支援できていないことがあると考えています。流通コストの負担能力が極端に低い日用品雑貨業界にあって、流通VANをベースにしたメーカー共同物流を推進してきた実践者の立場から、物流共同化推進のために取り組んで欲しい研究課題についてご紹介致します。