抄録
1993年EU統合以降のトラック輸送における運賃自由化、域内カボタージュ廃止など一連の規制緩和と冷戦終結に伴う東欧諸国の市場経済への参入は、欧州における物流業の競争の激化を招いた。更に、1999年ユーロ導入に伴い荷主企業はその生産・物流拠点の統廃合に動き出し、物流のアウトソーシングの流れは加速された。こうした物流環境と荷主企業ニーズの変化が、荷主企業と物流業者間の異業種間アライアンスというイコール・パートナーとしての新たな関係を構築したものと分析される。欧州での両者の関係は長く深い取引関係に基づいて発展することが多く、契約ベースで短期に3PLが構築される米国と違った、欧州型とも言うべき独自の発展を遂げつつあることが指摘できる。