数学教育学会誌
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海外の数学文化を取り入れた教材開発
Optical toy を事例として
後藤 学
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2017 年 58 巻 1-2 号 p. 61-70

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抄録

現代の教育課題を解決する1つの方法として,新しい教材や魅力的な教材を導入することが必要である。後藤(2017)で提案された「現場の教師が新しい教材を開発するために必要な事項」をもとに,イタリアのOpticaltoyを事例として教材開発の必要性を述べた。調査の結果,Opticaltoyに関連する事項として,遠近法,だまし絵,トリック・アートなどが挙げられる。また,イタリアをはじめヨーロッパの教会の天井画や壁画,絵画などにもそれらの技法が取り入れられていた。ガリレオ博物館で展示されているOpticaltoyでは「見る角度を変えると違う絵柄を見ることができる」ということが抽出された。これらは小学校低学年で指導できるものと思われる。この概念は教科書では全く扱われていないが,幼児期に獲得しておいた方がよい考え方であることも示唆された。

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© 2017 (一社)数学教育学会
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