2024 年 68 巻 231 号 p. 8-17
本講ではひげぜんまいの外端が固定されたときのひげぜんまいに加わる力,運動などの計算を1949年(昭和24年)頃の蓮沼教授などの理論を紹介しながら進め,最後にはこのような古典的な理論がどの程度実際と合うのかについて簡単に紹介する.前講も含めて平等時性に関する基本的な方程式の誘導にはかなりのページを割いてしまったが,機械腕時計の調速機の中心課題であるという点でご容赦いただきたい.この推論の中にもいくつか未検証な部分もあるし,実際の結果と古典的な結論とに大きな差があることも指摘しておいた.このような点では機械時計の理論領域にも未解決の部分があるというべきであろう.