日本微生物資源学会誌
Online ISSN : 2759-2006
Print ISSN : 1342-4041
原著
カルチャー・コレクションにおけるメタン生成古細菌の長期保存のための嫌気的L-乾燥保存法の確立
飯野 隆夫鈴木 健一朗
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2006 年 22 巻 2 号 p. 99-104

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抄録

L-乾燥保存法(L-乾燥法)は微生物の長期保存のために一般に用いられる方法の1つである.我々はこのL-乾燥法を高度嫌気性古細菌であるメタン菌に適用するため,作業工程を嫌気環境に維持したL-乾燥法を開発した.供試した Methanobrevibacter arboriphilus NBRC 101200,Methanoculleus chikugoensis NBRC 101202TMethanothermobacter thermautotrophicus NBRC 100330Tの3株は本L-乾燥法により良好に保存され,乾燥標品を2週間37℃に保管した加速保存試験後も良好に復元した.これらの生残菌数は,継代培養時は105~106 cells/ml であったのに対し,L-乾燥保存後は104~106 cells/ml であった.一方,酢酸を資化する Methanosarcina mazei NBRC 101201は,対数増殖期の細胞をL-乾燥保存に供した時は良好に保存され,104 cells/ml が復元したが,定常期に達した細胞を供した時,著しく生残菌数が減少し,10 cells/ml 程度しか復元しなかった.このことより,メタン菌の保存には培養条件に注意を払わなければならないことが示唆された.本改変L-乾燥法はメタン菌のほか,高度嫌気性菌の長期保存や分譲の迅速化を可能にし,カルチャーコレクションの事業に貢献することが期待される.

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© 2006 日本微生物資源学会
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