2012 年 28 巻 1 号 p. 19-27
GABA 生産乳酸菌であるLactobacillus brevis 0910,Lactobacillus buchneri 1001 をスターターとして用いた発酵ソーセージについて,発酵熟成中の理化学的性状の変化をLactobacillus plantarum を用いたものと比較検討し,以下の結果を得た.① L. brevis 0910 区,L. buchneri 1001 区の乳酸菌数はL. plantarum 区と同様に発酵初期に大きく増殖し,発酵3日目に109 CFU/g レベルに達した.② L. brevis 0910 区,L. buchneri 1001 区の乳酸生成量はL. plantarum 区の6 割程度で,生成速度も緩慢であった.③ pH はL. plantarum 区が発酵開始後速やかに5.1 まで低下したのに対し,L. brevis 0910 区,L. buchneri 1001 区ではGABA 生成時のグルタミン酸脱炭酸によってpH の低下は抑制された.④ GABA(乾物100 g あたり)は L. brevis 0910 区では600 mg,L. buchneri 1001 区では3000 mg が生成された.L. plantarum 区およびコントロール区(スターター無接種)ではGABA の生成は認められなかった.⑤総遊離アミノ酸量(乾物100 g あたり)はL. buchneri 1001 区 が2300 mg と最も多く,次いでL. brevis 0910 区の2200 mg,コントロール区の2000 mg,L. plantarum 区の1800 mg となっ た.⑥色調はL. plantarum 区がサラミ特有の暗赤色を有していたのに対し,L. brevis 0910 区,L. buchneri 1001 区は,赤み が薄く,やや明るめの色調であった.堅さはL. plantarum 区に比べL. brevis 0910 区,L. buchneri 1001 区は脆かった.⑦官能試験の結果,L. brevis 0910 区,L. buchneri 1001 区は外観と総合でL. plantarum 区に比べ低い評価となった.