Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
論文
イオン交換法と剥離処理によるγ–リン酸ジルコニウム複合体を用いたアンモニアからの水素発生触媒の作製とX線吸収微細構造のその場分析
武井 貴弘大原 悠希Farhana ADLEEN齋藤 典生熊田 伸弘伊東 正浩中島 靖
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2025 年 32 巻 438 号 p. 164-171

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抄録

 γ型層状リン酸ジルコニウム(γ–ZrP)をホスト材料とし,ルテニウムを賦活剤として複合体を作製し,NH3ガスからのH2発生触媒の作製を検討した.複合体は,イオン交換と剥離の2つのプロセスにより作製した.イオン交換の場合,Ruの導入量はイオン交換容量の約10分の1程度であり活性は低かった.一方,剥離処理を行った試料では,コロイド状Ruがリン酸ジルコニウムナノシート上に固定され,400℃程度の比較的低温域でのH2発生活性が向上した.放射光XAFS測定により,剥離処理したγ–ZrPはコロイド状Ruを固体するのに適していることが確認された.さらに,Ruの化学状態をその場XAFSで分析し,金属Ru種がH2発生に優れた効果を示すことを明らかにした.

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