石膏と石灰
Online ISSN : 2185-4351
ISSN-L : 0559-331X
湿式燐酸の副産石膏に関する研究
(I) 結晶成長条件の推計法による検討
山田 保玉木 康裕
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1955 年 1955 巻 19 号 p. 1026-1030

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抄録

1. フロリダ燐鉱石を50°Be′ (62.5%) 硫酸で分解した場合, 分解温度 (86°,120°,180°) と再結晶石膏の大きさの間には, 甚だ有意な差があり, 86°と120°,180°間に差があり, 120℃以上で可溶性石膏がよく生成していると考えられる。 (信頼度99%)
2. 燐鉱石の粉末度と結晶の大きさの間にも差があつて80~150メッシュの場合が最も大きく, 再結晶速度が影響すると考えられるが, 結晶条件等更に検討を要する。
3. 硫酸の30%, 40%濃度のものを用いてCaSO4・1/2H2Oを生成させ,それを再結晶させる場合,1.) 洗滌する。2.) 多量の水を加え反応温度に保持する。4.) 1%酒石酸ソーダ液を加え室温に保持, 5.) 酸を中和後酒石酸ソーダ溶液を加え室温保持, の各条件では板状結晶を生じ3.) 酒石酸ソーダ溶液を加え室温に保持した場合, 針状結晶となり, 1.) と3.) の条件の間に甚だ有意な差が認められる (信頼度99%) 。有機酸塩添加は板状石膏の成長効果は認め得ないと言つてよい。

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