石膏と石灰
Online ISSN : 2185-4351
ISSN-L : 0559-331X
アパタイト粉末の圧粉性と焼結性
門間 英毅神谷 貴志堤 正幸長谷川 安利
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1987 年 1987 巻 208 号 p. 127-135

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抄録

種々の形態とCa/P比の水酸アパタイト (HAp) 粉末の圧粉成形性と焼結性を比較検討した。ブラッシャイト (DCPD) の加水分解によるHAp粉末の假焼後の形態は0.15-0.20μmのテトラポット形微結晶の連結凝集した, モネタイト (DCPA) の加水分解によるものはダンベル状微結晶の凝集した, それぞれ約70×100μmの板状粒子であった。沈殿HAp粉末は微細結晶の凝集した1-6μmの塊状または15-20μmの球状粒子であった。圧粉成形体の密度は〓焼温度とともに高くなるが, 焼結体の密度は〓焼温度700-900℃に, 強度は化学量Ca/P論比より若干低いCa/P比に, それぞれ極大を示した。加水分解法によるHAp粉末でも, 焼結相対密度95%以上, 曲げ強さで100-150MPaの焼結体を得ることができたが, 沈殿HApの方がより易焼結性で高強度焼結しやすかった。焼結体グレインサイズは各HApとも差はないが (約1-4μm), 気孔は沈殿HApより加水分解HApの方で多かった。

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