Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
過酸化水素の発泡作用を利用した中空球状凝集粒子からの水酸アパタイト多孔体の作製
板谷 清司内野 智裕岡田 勲
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2003 年 10 巻 306 号 p. 308-315

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抄録

中空球状凝集粒子と過酸化水素 (H2O2) の発泡作用を利用して水酸アパタイト (Ca10 (PO4) 6 (OH) 2; HAp) 多孔体を作製した.伸空球状HAp凝集粒子は硝酸カルシウム (Ca (NO3) 2) とリン酸水素アンモニウム ((NH4) 2HPO4) の混合水溶液を600℃で噴霧熱分解し, さらに得られた粉体を600℃で1時間か焼して調製した.HAp粉体に異なる濃度のH2O2水溶液を加えて得られたスラリーを吸引ろ過し, 直径20mmおよび厚さ4mmの成形体を作製した.この成形体を50℃で1時間加熱したのち, 900℃から1200℃の温度範囲でそれぞれ5時間焼成した.1000℃, 5時間焼成した場合に焼結体の全気孔率は最大 (71.7%) となり, その時の気孔径は0.7μm, 5~100μmおよび100~200μmの範囲に存在していた.また, 発泡剤であるH2O2の濃度を0~20 mass%の範囲で変化させることによって, HAp多孔体の全気孔率を61.2%から71.7%まで直線的に変化させることができた.

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