抄録
重力が作用する非一様大気中を上空から垂直下方に伝播する有限振幅の平面波の伝播状態を非線形化法を用いて解析的に求め, 波形の変化や衝撃波の形成について調べた.
解析手順は, 大気の非一様性を考慮した一次元波動方程式を導出して解を求め, つぎに非線形化法を用いて解を修正した.計算例として衝撃波管内の波と爆風の波を参考に二つのモデルを想定し, 各々の場合に形成される衝撃波の伝播速度, 強度, 及び伝播波形の変化を求め, 一様大気と非一様大気の場合の比較を行った.とくに衝撃波の強度に関しては非一様性による減衰率を求め, 従来使用されているものと比較した.