日本流体力学会誌「ながれ」
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高粘性流体の理論のプレート・テクトニクスへの応用
小川 直人椎貝 博美川端 淳一
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1995 年 14 巻 4 号 p. 305-315

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抄録

本研究では, 複素関数論を用いた粘性流体のくさび形領域の挙動の解析を, プレート・テクトニクス理論の沈み込み帯に応用し, プレートの下にあるマントルを粘性のきわめて高いニュートン流体と仮定して, 2次元的に圧力, および流線を計算した.その結果, くさび形領域の頂点に湧き出しが無いときにはその頂点付近の圧力はきわめて低いが, もし頂点に湧き出しが発生すればその付近のマントルの圧力は非常に高くなることを示した.
このことは, これまで弾性反発モデルにおいて定性的なことを主体に説明されてきた地震発生の機構とよく似ており, プレート境界付近の地震発生の機構において定量的な計算の可能性のあることを示した.

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