抄録
旋回を伴う流れが充分長い真っ直ぐな円管内に流入した場合で, かつ旋回強度の広い範囲で実験を行い, 流れの相似性とそれに伴う管中心部の逆流の発生条件について検討した。旋回を伴う円管内の流れは無旋回の円管流と大きく異なる。旋回の強さの表示には従来使われていたスワール数の代わりに管壁近傍の旋回角を採用し, また, 旋回に伴って生じる管中心部の軸速度の減少を定量的に吟味するため, 特性半径 (ここでは排除半径とする) を提案した。その結果, 壁近傍の旋回角が等しければ流れが相似であることが確認でき, さらに管壁近傍の旋回角がおおよそ22.5度以上で逆流が生じるのが確認できた。