日本流体力学会誌「ながれ」
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超音速キャビティ流の振動機構に関する考察
第1報 圧縮波の発生と伝播の過程
西岡 通男浅井 智広坂上 昇史白井 幸次
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2002 年 21 巻 3 号 p. 280-294

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抄録
キャビティを過ぎる高速流が激しい振動を励起し, 強い音波を放射することは周知である.しかし, その振動の機構はまだよく理解されていない.筆者らはキャビティ振動を超音速混合・燃焼の促進制御に用いることを目指していて, 超音速キャビティ振動の機構を把握することが重要な課題となった.本論文では, 超音速キャビティ流に関する従来の研究成果をまず簡潔にまとめた.次に, 主流マッハ数M=1.8, L/D (キャビティ深さに対する長さの比) =1のキャビティ振動流の数値計算結果をもとに考察し, 勇断層の不安定性, キャビティ後縁における圧縮波の発生, キャビティ前縁に到達した圧縮波による撹乱の生成などの一連の現象を明らかにした.特に, 圧縮波の発生過程については従来の定説を覆す結果が得られた.そこで, 振動周波数の予測に関するTam and Block理論の改善を試みた.さらに, これらの結果を検討して, キャビティ前縁における受容過程 (渦度撹乱の生成) やL/Dの影響などの今後の課題を示した.
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