抄録
高速度ビデオカメラを用いて, 人間とピッチングマシンによって投げられた硬式野球ボールと真球の撮影を行い, その抗力係数と揚力係数を求めた.進行方向に回転軸をもつ「ジャイロボール」を投球する為に, 市販のピッチングマシンを改造した.硬式野球ボールの場合, ストレートの抗力係数は測定されたレイノルズ数 (Re数) 領域 (1×105<Re<2×105) でほぼー定値であったが, ジャイロボールの抗力係数はRe数とともに減少傾向を示し, Re=1. 8×105の周辺で最小値をとることが分った. 真球の場合, ストレートとジャイロボールともに抗力係数が硬式野球ボールのものよりも大きく, ボールの縫い目が流れに影響することが確認された.