抄録
一方が他方を内部に含む大小2つの直円筒管, すなわち偏心二重円筒管の内部の定常流に対して圧力差対流量の関係式を導く.2次元のボアソン方程式を, 等角写像を用いて解くことにより速度分布が求められる.2円筒が接触する場合は, 接触しない場合と異なる写像関数が用いられ, 2円筒の半径比が特別な値のとき, 圧・流量関係は有限項で表される.同心の極限では既知の関係式に帰着する.また, 接触2円筒間の領域が十分薄い場合, 圧・流量関係の比例定数 (コンダクタンス) は (β-1) 3のように変化する.ただし, βは大円と小円の半径の比である.