抄録
著者は先に, 風速計用熱線の空間的分解能から見た実効長さは, 無次元長さが3程度以下では幾何学的な長さの2/ 3程度になることを示したが, それは速度変動振幅が熱線の中央で最大になる分布の場合に就いてであった.今回はそれを拡張し, 速度変動は空間的に正弦波の振幅分布をしているが出現する位置は無作為として, 熱線で測定するパワースペクトルの期待値を求めた.パワースペクトル測定値が熱線の長さと速度変動の波長の比が大きくなると減少する割合は熱線の無次元長さが小さい場合には小さく, この意味での熱線の実効長さはここでも幾何学的長さの約2/ 3に等しい.