抄録
深層学習モデルを数値流体計算のサロゲートモデルとして用いるには課題がある。本研究では、データ駆動型手法を用いて偏微分方程式の解を効率的に学習できるFourier Neural Operator (FNO)を利用し、単体建物周辺の気流に関するLarge-Eddy Simulationの結果に基づいた三次元風速予測モデルを構築した。連続する10個の時間ステップにおける3次元風速予測のテストにより、従来のDeep Neural Networkと比較して、FNOはフーリエ変換から得られる空間情報の周波数特性を活用することで、非定常風速場を高精度に予測できる優位性を示した。また、異なる訓練データ量、フーリエモード数、フーリエ層数に対するFNOの予測精度の違いを比較し、本検討における最適なFNOのパラメータを明らかにした。