日本人間ドック・予防医療学会誌
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総説
人間ドック・予防医療におけるウェルビーイング(Well-being)の意義
鏑木 淳一
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2024 年 39 巻 1 号 p. 8-20

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抄録

世界保健機関は,健康の定義として,「ウェルビーイング(Well-being)」という用語を用い,この用語は「すべてが満たされた状態」と訳されている.ウェルビーイング(Well-being)の概念は,幸福感(感情としての幸せ),人生に対する満足度,前向きな気持ちで構成され,予防医療から福祉まで含めた分野に及ぶ.すなわち,ウェルビーイング(Well-being)を維持するためには,病気の重症化を防ぎ死亡を回避すること,日常生活の質を保つことが必要である.予防医療の点では,健康寿命を延伸するために,悪性腫瘍に対する診療以外,骨血管相関の病態を考慮して,フレイル(身体的フレイル,認知的フレイル,社会的フレイル)の予防,早期発見と保健指導を含めた治療介入が重要である.このため,本学会における高齢者のための健診・予防医療のあり方検討委員会は,高齢者に対する健診を「ウェルビーイング(Well-being)健診(健康寿命延伸健診)」と名付け議論している.一方,企業における健康経営の取り組みの中で,働く人が幸福感を持つほど,企業に経済的利益が高まることが指摘され,「ウェルビーイング(Well-being)経営」という考え方が提唱されている.今後,ウェルビーイング(Well-being)の測定方法など検討すべき課題は残っているが,予防医療の分野でも,ウェルビーイング(Well-being)の概念を基礎とし診療することが重要である.

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© 2024 公益社団法人 日本人間ドック・予防医療学会
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